>>18 プリン様
「······んん?」
(不意にかかる声、その方向に顔を向ける。······目が痛くなりそうな程の紅のドレスが真っ先に目に入る。
それにその口調······どこかで見覚えがあるような気がした。)
「············あ、お前······あの焔孔雀の······!」
(思い出した。······というより、彼女の所業ではなく(まあ所業なのだが)、彼女が間接的に起こした出来事を。
当時は街長をやっていて関わることもなかったが······そのインパクトは強烈に思い出された。あのようなやり方もあるのか、と感銘に近いものを覚えた記憶がある······)
>>20 ハナヤマ様
「あら、あらあら……」
(声をかけたは言いものの、眉を顰める彼から「かつての自分」を知る言葉が出てくるとは思いもよらず、数年前に己の黒歴史だと戒めた筈の記憶を脳裏に浮かべては怯んだように言葉が詰まり。)
「……あ、あなた、あたくしをご存知なのね。うふふ、そう、それが当然よ、プリン様を知らないのは愚か者だけだと思っていたの」
(引きつった口元を紅蓮の扇子で覆い、しどろもどろに焦りを隠す。「暇潰し」と称したお姫様ごっこも昔に比べればままならない。まさに傍若無人と言える振る舞いで、数十人の男を扇下に従えては幻の焔孔雀を狩りまくったせいか、数年越しにログインした今でも大量の素材が余っていることに「かつての自分」への畏怖を称え、戦の証と称していたほどだ。誇るに誇れぬ証の結晶である、ド派手なドレスやリボンを風に靡かせてプリンセス・アラモードは眼前の青年に尋ねる。)
「あなたはいつからこの世界に? 随分と長いこといるようだけれど」