桜空「何もそうは言わねぇよ、ただな・・・・・何も世界は悪いことばかりじゃねぇってことだ・・・・・」
(氷よナイフを持った氷華の腕を掴み、そのままナイフを取り上げる・・・・・
「人間なんてちょっとした何かがあれば心に変化ができるもんだ・・・・・心当たりがあるだろう?」
桜空は遠回しに夕渚のことを話題に挙げる、もし夕渚の存在がなければ、氷華はもっと酷いことになっていただろうと・・・・・)
>>146
氷華
「……………。」
桜空が氷華の手からナイフを取ると、急速に硬度が失われ、ナイフを握る桜空の体温だけで溶ける上に座ってナイフを掴む氷華の腕の力も自害するには難しい程弱々しいものになっていた。
自らの手では自害できない桜空の言葉を聞いて、確かに自分は夕渚と出会った事で、始めて感謝された、始めて友と呼べる存在が出来たと気付く。
氷華
「……人間は根本的な部分は変わらないわ。」
だが、自分が国を滅ぼし、現世に地獄を顕現させようとしたのもまた事実であり、弟から目を逸らしながら、人間は根本的な部分では変わることが出来ないと、半ば諦めたように呟く。