>>192
仮面の人物
「頭を潰さない限り、何度でも組織は再生する。
これを機に組織を再建不能にしたかったんだけど……思いの外抗ってくれたね?」
仮面の人物は二人からそれなりに離れているにも関わらず、まるで二人の目の前にいるかのように声が聞こえ、目的は桜空の抹殺だと応える。
仮面の人物は組織の頭を潰さないといけないと語る際には自分のこめかみを指先で軽く叩きながら話すと言うように、少し大袈裟な身振り手振りによるジェスチャーが多く、芝居がかって見える。
湊
「なるほど・・・まあ、その考えには賛成ですね」
耳元で聞こえてきそうな声に気味の悪さを感じつつ仮面の人物の意見に賛同する。
湊
「けど今潰されると私が困るんですよね・・・
悪いけどそれは今度にしてもらって、ここは引いてくれませんかね?ほら、そこの男も万全ってわけじゃなさそうですし」
先ほど血槍で貫いたはずの刺青の男に指をさす。正直これで引いてくれるとは思っていないため、いつ攻撃されてもいいように身構えてナイフを握りしめる。
額から頬に汗が流れるのを感じる。冷静に会話しつつも頭の中は迎撃の策を練ることでいっぱいだった。