桜空「・・・・・一日だって忘れたことはねぇよ・・・・・」
(この家で過ごした幼少の日々を覚えているかどうか聞かれれば、一日とて忘れたことはないと言葉を返す・・・・・
ここには、自分の全てが詰まっていた、あの日を境に奪われるまで・・・・・)
桜空「・・・・・俺達の原点だ、ずっと、ずっと・・・・・あの日のまま残っていたんだな・・・・・」
>>47
氷華
「………そうね………私達の人生が狂ったきっかけでもあるわね……」
氷華にとって此所は自分達の生まれ育った思い出の場所であると同時に、人生の狂い始めたきっかけでもあり、懐かしさと嬉しさだけでなく、悲しみも感じてしまっている。
自分にも確かにあった、人間として生き、人間として生きられた筈の人生……
氷華
「……どうして……こうなったのかしら………ね………?」
氷華の目からは一筋の涙が頬を伝って流れ落ちる。
どうしてこうなったのか、自分はどうすればよかったのかと問いかける。
世界は想像以上に腐敗し、悪が蔓延る世界であったため、強引な手段でなければ正義を貫けない世界だと悟り、自分自身や幸福、人生の全てを擲ってでも叶えなかった理想……悪によって理不尽に奪われることの無い世界……
その純粋な考えだけは幼い頃から変わらずに持っていた……