>>42
帝国 門番兵C
「その間抜けごとやっちまえ!!」
帝国 門番兵A
「おい!嘘だろ!?やめろ!攻撃するな……がァッ!?」
《ドスッ》
帝国兵同士は互いに冷酷かつ残忍な性格をしているのか、槍を持った帝国兵は何の躊躇いもなく番兵Aもろとも相手の体を槍で貫こうとする。
勝利のために犠牲を払うのがスパルタ兵の精神であるのなら
帝国兵は私欲のために他を犠牲にする思考の持ち主ばかりなのだろう
あまりこの門番を相手に時間を稼がれてしまえば、ギルベルトの捜索のために哨戒に出ていた守衛達が増援に駆け付け、彼の祖国が滅ぼされた時と同じように物量で圧倒されてしまう事になるだろう……
成程······良いじゃないか!
(盾の代わりにしていた番兵が貫かれようとするのを見て、もはや意味がなくなりつつあるその体を前に押し出すようにすると、その陰から番兵Cに向けて持っていた短剣のうち一つを投擲する。
それにしても······と一瞬の隙を突いて周囲を観察する。
少しばかり数が多い。······いつもの大斧を置いてきたのは失敗だったか······とやや後悔する。
恐らく大斧を持っていたら、証拠隠滅の為にこの場にいる番兵を皆殺しくらいにはしていたかもしれない。)