>>43
成程······良いじゃないか!
(盾の代わりにしていた番兵が貫かれようとするのを見て、もはや意味がなくなりつつあるその体を前に押し出すようにすると、その陰から番兵Cに向けて持っていた短剣のうち一つを投擲する。
それにしても······と一瞬の隙を突いて周囲を観察する。
少しばかり数が多い。······いつもの大斧を置いてきたのは失敗だったか······とやや後悔する。
恐らく大斧を持っていたら、証拠隠滅の為にこの場にいる番兵を皆殺しくらいにはしていたかもしれない。)
帝国 番兵D
「おらッ!!」
《ゴオッ》
投げられた短剣が番兵Cの体に突き刺さり、倒れるものの、背後に回り込んでいた番兵が剣を大きく振り上げて人数の差を活かした背後からの奇襲を仕掛けて斬り伏せようとする。
こうしている間にも次々と帝国兵達が集まって来ており、いつの間にか最初に門の前にいた兵士の数の倍の人数になっており、街の中にも更に多数の守衛がいる事を考えると、どれだけの敵兵と戦わなければならなくなるのかは想像もつかない。
更に、ローマ帝国の強みである、高度に組織化された軍隊の特徴から、既に近隣の帝国兵にもこの一件が報告され、援軍が送り込まれて来るのかわからない……
個々の力に幾ら秀でていようと、百や二百の兵には敵わないだろう
それが出来るのであれば、ローマ帝国は地中海を席巻する程の大国を作り上げることは出来ていない