>>61-62
「はー、…困ったな」
尾行されていることには気付いていたようで、彼と出会う前に足を止めると息を吐く。こうして隠れ家的な場所に、勝手に足を踏み入るだけでも失礼かもしれないのに、結構な人数を連れてきてしまったことに罪悪感を覚えて。大勢で行動していることや気配が漏れていることを見るに、階級はあまり上では無いことを予想すると暫し考え込み。
(あまり傷つけたくないが…ついてこられてしまった上に今回は夜王様の命令もある。きっちり全員、消さなければならない。)
「先ずは其処の君達からにしよう」
隊員達の狙いを自分に向けるため、少し来た道を戻るとひとつの場所を見つめて言葉を口にする。特出した聴覚により、後方支援として待機している2人に目をつけた様子。散らばる瓦礫の小さな欠片を手に取ると2、3個まとめて指で弾く。軽く弾かれたそれは、ボディアーマーも難なく貫通するような威力を持っていて。
吸血鬼狩り隊員B
「………ぐッ!!」
後方にて、隠れ家から出てきた吸血鬼を仕留めつつ、増援の要請をしていた隊員二人がフィーニスが弾いた瓦礫の破片を受けると大きく吹き飛び、地面に倒れると、手にしていた無線機が手元から落ちる。
無線機からは米国訛りのある英語が聞こえており、アメリカの吸血鬼狩りの支部から派遣されて来たのだと言うことがわかる。
吸血鬼狩り隊員A
「Fire!!」
隊員絶ちは低く見積もってもC級クラスはあるようで、フィーニスが破片を打ち出した際に生じた音や、仲間が撃ち抜かれ吹き飛ばされた方向から即座にその位置を特定し、先端にサプレッサーを付けた聖銀のアサルトを隊員六名が瞬時に構えて発砲し始める
しかも、敢えて射撃範囲を広げておく事で回避しようとしても大きく体を動かして回避しようとしなければいずれかの銃弾が撃ち込まれてしまうようにしてあるため、この時点だけでも相手がかなりの手練れである事がわかるだろう