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「…ねぇ………ねぇ…!ちょっと…!」
低く抑えられた声がユスタスの鼓膜を小さく震わす。不思議に思って振り返ってみれば、大きな血でできた蝶…シャルルの傀儡がいるだろう。
「やぁ、さっきぶり。さっそくで悪いんだけどその子(吸血鬼狩り)、助けたいでしょ」
心なしか少し焦ったように答えを迫る。
「それから死んだ子もいるでしょう?悪いけどその子の両足ももってきてくれない?」
そこまで言うと道案内をするように一つの路地の前に留まる。
ユスタス「両足を持ってこいだと?何を考えてる・・・・・?」
(一刻を争うという状況で、いきなり死体の両足を持ってくるように言われれば、理解しようにも死体の両足とまだ助かるかもしれない吸血鬼狩りとどのように結びつくのかわからずに・・・・・)
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