「…ソーデスカ」
少し棒読みになって返事をし、クルリと本棚などが置かれた部屋の隅をむく。そのまま歩いて本棚とは別の大きな鍵付きの棚に鍵を刺し、中から“クッキー缶”を取り出す。
そのまま壁沿いに置かれたソファーにゴロンと寝転び、クッキーをポリポリと食べ始める。
「……Japaner machen sich zu viele Gedanken darüber, was andere von ihnen denken.………Du bist eine Nervensäge……」
(……日本人は他人の評価を気にしすぎるなぁ…………めんどくさい……)
こんどはドイツ語で小さくぼやく。母国語が出たのは素に近いからだろう。
……余談だが、この生徒会室の隅はほとんどいないはずの凛虎によって占領されている。角に沿って敷かれた小さなカーペットとラグ、大きな本棚と鍵付きの棚に仕舞われたティーセットとコーヒーセット。そして茶菓子たち。元々は接待のための持ち込みだったが、接待に使われている場面を誰も見たことがない。
こんなことが許されているのは会長が寛大だからかそれとも無駄に広い生徒会室だからか……誰も知らない。
【ごめんなさい。長くなりました】
……これもよければどーぞ、あげる
(ソファーにゴロンと寝転びクッキーを食べる相手を見れば
ピンと思い出したように鞄からクッキーの包みを相手の
おでこに当てて、どうやら作ったはいいけど食べる人がいないため
「よし、生徒会室で言ったら誰か食べるだろう」という
よく分からない思考で持ってきたものらしく
>>35 凛虎