ちーの好きなアイツを想う日記

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5:ちー:2010/08/06(金) 06:02 ID:ojg

―2007年11月30日

この日は授業はなかった。

だけど、妹と喧嘩をしていたので家にいるのがいやだったから、自習でもしに塾へ行った。

この時もし、いつも通り塾に行ってなかったら、アイツと知り合うことはなかっただろう。

自習室では、翌年の1月に中学入試を控えた小学6年生が数人自習していた。

「そういえば私も、去年はよく自習室使ってたな。懐かしいな。」

私は受験前の自分を思い出していた。

いつの間にか小学生は誰もいなくなっていたが、そんなことに気づかないくらい回想に夢中になっていた。

第1志望であったR中学を受験した時にさしかかった時であった。

ちょうどR中学の赤本を持った小学生が私の横に立っていた。

思わず私は彼に話しかけていた。

「R中学、受けるんや?」

「えっ何で知ってるんですか。」

「だって見たらわかるやん。」

私たちはしばらく喋っていた。

彼は6年の7月に入塾した。

本来、中学受験をする人は小5くらいから入塾する。

因みに私は、小4の時に入塾した。

それで落ちたのだから、合格率が低いのは言うまでもない。

しかし彼は、それでも頑張っていた。

結果はどうであれ、入試までを自分なりに頑張ってみる。

そんな姿勢が彼にはあった。

小4から入塾して「どうせ受かるやろ」と自惚れていた自分とは全然違う。

私は心が動かされたような気がした。

「そうなん。頑張れ。」

少し噛みながら私はそう言った。

入試まで彼を応援しよう。私はそう心に誓った。

「千尋知ってますか。」

彼がそう言った瞬間、私は昨日までしつこく同じことを訊いてきた小学生のことを忘れていたことに気付いた。

2人が同一人物であることを認識するのに、少し時間がかかった。

「知ってるけど?」

「俺の姉ちゃん、千尋なんですよ。」

あぁ姉弟だから、あんなにしつこく訊いていたのか。


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