WEB漫画スレ【BL】

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84:匿名の腐女子:2019/02/26(火) 20:50

>>83に捧げたかった(謝罪)



「正太君」
 そう呼ぶと、なに? と正太君は振り返った。少しだけ首を傾げて。
「いや、なんでも? 呼んでみただけだよぉ?」
 喉の奥に本心はつかえて、よく回る口が勝手に嘘を紡ぐ。なんだ、と言って笑う正太君は、僕の嘘を露ほども疑っていないらしい。
 嘘で世の中なんてなんとかなると思っていた。けれど現実は違うのだと、正太君に教えられた。ひとに知ってほしい気持ちが、伝えたい本心が、僕にもあるのだと知った。
 ……キスしたい、だなんて、嘘吐きの僕がどうして言えようか。

「四月一日君?」

 その声に、はっと我に返る。こちらを見つめる濁りのない双眸が、いつも以上に近くにあって思わず飛び退いてしまった。
「わ、ごめん」
「いきなりどうしたんだい、正太君?」
 速くなる鼓動を抑えて、目を細めて笑ってみせる。
「いや、だって、さっきの」
 俯きがちに発せられた、歯切れの悪い言葉。さっき……僕は呼んでみただけだと言った。それの何がおかしいのか、分からない。
 けれど正太君は、意を決したように顔をあげて。

 ……次の瞬間、温かくて柔らかい『なにか』が唇に触れた。

「……!?」
 正太君の逸らした顔は耳まで赤くなっている。きっと僕もそうなのだろう。口が、回らない。
 しばらくの沈黙。それを破って問うた。
「正太君、どうしたんだい?」
 わずかに声が震えている。きっと気づかれないとは思いつつも、うまく嘘が吐けないことが恥ずかしい。
「……四月一日君が言ったんじゃないか」
「え?」
 頓狂な声が出た。僕が何を言った?
「だから、その、キス……したい、って」
 やっと冷えてきた頬が、ボッと音が立ちそうなほどの熱をもつ。まさか……声に出ていた? そんなわけがないと思いたいが、そういうことだろう。
「っ……馬鹿」
「嘘吐き。それに僕は嬉しかったよ」
 さっきまでの赤面はどこへやら、微笑んで言う正太君。確かに悪くない……なんて、思ってしまったのも、きっと嘘だ。


レア雑魚:2019/02/26(火) 23:10 [返信]

萌え殺さないでくれ(懇願)


匿名の腐女子:2019/02/27(水) 00:26 [返信]

>>84 金を貢ぎたい ありがとう 土下座してる 最高 ありがとう……………


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