ヘーゲルは全事象を、矛盾をきっかけとしてより高次元のものへと変化していく運動、論理の展開としたのだ。それが大局的な弁証法であると言える。
立場が肯定されているものをテーゼ、それを否定し矛盾する立場をアンチテーゼ、両者の矛盾を統一し、高次元へと揚棄(アウフヘーベン→矛盾を否定、保存、高次元へ)することで2つの矛盾する立場をともに否定しつつ、それを利用した総合のものが高いものとして確立される(ジンテーゼ)。
具体的には、
あるものはそれを三角形だという。(テーゼ)
しかしもう一方のものはそれを四角形だという。(ジンテーゼ)
両者は互いに自らで知覚しているものについて俺が正しいのだ、と論争を繰り広げる。(矛盾)
そこで決着がつかないので、両者は互いの言っていることを二つの条件(否定と保存)として合体(総合し高次元へ)させることにした。(アウフヘーベン)
そうすると、そのものとは実のところ、三角錐であると結論を下せた。(ジンテーゼ)そして、前者が見ていたのは真横からであり、後者が見ていたのは真下からであることが言える。
>>267 凄い分かりやすい…!