「ぁッっぐぅっ……ぅ!? ロンシーっ!!下ガっテろッ!!」
(心配で出てきたのであろう少年を見て、月舟が叫ぶ
そして、ただならぬ気配を曝け出す少年に、虎が振り向き…)
「!!!っっごのォっ!!」
【プチっ!】【ギャオォオオオォオーォォオっ!!】
(少しでも傷が浅い右腕に全力を込めて虎の左目を潰し、わずかな隙ができ…)
「…っ…ろ ロンシー?私は…ほラ、大丈夫…だカら…早、ぅっ…く」
(どうにか立ち、少年に走り寄って出来る限り優しく呼びかけ、逃げを促そうとし…
それを許さない怒りの虎が、再び隙を見せた月舟に飛びかかろうと後ろ足を構え)
…!あぶない!
(背後に迫る虎を月舟の肩越しに見て一言叫ぶと、一気に月舟の脇を目にも留まらぬ程の疾さで通り抜けると闇を纏った右腕で虎の首を刈り取る
轟音を立てて倒れる虎の巨体。当の本人のは血の滴る虎の首を掴み、虚ろな目で立ち尽していた)