>>591
「…っおッ!」
(いきなり目を覚ました少年に一瞬驚きかけ、
ギリギリ、口元が緩むぐらいに表情の変化を留めて)
「…ひヒっ!あのコワーイ虎ァな? こォの月舟さんが追っ払ってやったぞ!」
(再び、思いっきりの笑顔でロンシーに言いつつ、目的地の方角に歩き出す…
虎の死体を見てトラウマにでもなったらどうするのだ)
「ロンシー、途中で気を失っちまってたみたいだけど…怪我ないネェ?」
(この子に、あまり凄まじい事は教えない方がいいだろう…
正体を知ろうが、彼女の子供好きは変わらずじまいである)
ほんとに…?ありがとう!
(何も知らぬ彼は、子供らしく無邪気に笑い礼を言う
しかし、彼は知らない。繋がれたその手と、笑う自分の頬にはその瞳と同じ色である赤い鮮血が付着している事に)