弐『……そっか、数えるの、やめちまったんだったな、そら』
「………」
弐『…………おまえは、なんかいめって、言えばいいんだろうな、主様のお年なんかよりは、全然少ない、けど、人間が、普通の人間が耐えられるほどの数なんかじゃない』
「………」
弐『……約、1京、多分それよりおおいかも、軽く見積った数だから』
「………そっかぁ」
弐『……』
(顔をふせる、こんな小さな彼女に、向けられる顔などない)
…………………
それを聞き、眺めているとしても…
試みが、うまくいくとは思えない
…………
何となく、分かるのだ
…この人に渦巻く運命と意識、そして守ろうとする者たちの行き違いが、
決してかみ合うことのない歯車と、答えへと辿り着けない混沌の運命が
この人に幸せなど運ぶはずもないのだと