「ふふ、まぁまぁおちいついておくれよ、ここで翼なんて広げたらそれもまきこまれちゃうぜ?」
弐『……何しに来た』
「なぁに、恩を大安売りしてあげようと思ってね」
弐『………は?』
(描いたような笑みのまま、【それ】は弐からはなれ、ふわりと死にかけの彼女の近くに浮かぶ、とん、と人差し指の指先で神器の取手を触る)
「この神器とやらを壊して、ついでにこの体の治癒もしてあげよう、もちろん、お代はいただくけれどね」
「 ……にぃ…くん……その…こっ……だめ…… 」
( 喋るたびに口から血が漏れる。苦しそうに言葉を口にする。その子は……さっきのやくもがみのことばをしんじるならその子はただの普通の人間だったのだ…だから )
「 …こわしちゃ…だめ… 」