>>108
「──!っつ!いつき!!」
(するりと横を抜けていったいつきに驚きながら急いで振り向く)
(あぁ、いまは自分は追いかけられない、)
「───『日喰』!!!!」
(そして、ある名前をさけんだ、そんな名前聞いたことは無い、だが)
『──』
(ガウッッッッと、その名前に反応し、使い狐…いや、『日喰』はいつきの前へと駆け出した)
「お、さっすがええこ〜、今名前付けたったけど、ちゃあんと分かるんやなぁ」
(前に、名前をつけられない、といったが、使いにくらいなら影響はないし、むしろ力の増大に繋がるだろうと、笑う、人間にはむりだけどな)
「 ………っ!、姉、様がっ!いる、の……お願いだから、………邪魔、しないで 」
( 目の前に立ちはだかった狐をみて、一回止まるがその瞳はその狐を映していない、映してるのは何もない風景だ。ちりんとまた鈴の音が鳴る。そっと手を伸ばしながら、彼女はまたはしる。お願いだから、置いていかないで、そんな言葉をはく。彼女は追いかける、死んでしまったはずの、彼女の唯一の肉親を、もういないはずの影をひたすら追うように )