>>21
親父の死を看取ったのは 勿論僕だった
誰とも思えなかった筈の親父が死んでしまったとき
何故か 何故か…涙が止まらなかった。…親父…
…そして 親父は…死ぬ前に こんなことを言った
『 お前の母さんは…"悪"に殺されたんだ 』
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親父が死んでから 俺は何とか学校に通い直した
皮肉なことに、金を使う奴が1人になってからは余裕もある
……今でも 親父の最後の言葉が胸の中で生きていた
働きづくめの辛い日々を産み出した"悪" が
親父との会話を奪って母さんの顔を見せなかった"悪"が
"悪が許せない"___その気持ちだけが俺の頼りになった
高校を無事卒業し 大学に入った
この時点で 俺にはある、人から見れば幼稚な目標が出来た
大学を 卒業し、試験にも受かり …俺は"悪"と
"悪"と戦える職業…即ち、警察に就職した。
忙しさに満ちた日々、だが心の中は誇らしさで一杯だった
顔も知らない母さんに…何より親父に顔向けが出来た
……親父 俺はやったよ…
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2015年 警察内でも名が知れた私の元に
とある手紙が届いた。…それはあの時の私にとって
人生最大の"転期"だったが
実際は 今も後悔する悪魔の誘いに他ならなかった