>>20
僕が高校に通って暫く経ったある日 親父は重い病気に掛かった。
医者は 末期のガンだと言う 親父は病院に通わなかった
親父は自分で立ち上がれなくなり 僕はバイトをする事にした
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高校を中退してから数ヶ月 もう 録に親父は起きていない
何故か 僕は恨んでいるかもしれない親父を憎めなかった
血の繋がっていて 悪いこともされていない
それだけで 親父を憎めるもんかと 僕は1人決め付ける
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高校を卒業したみんなが 思い思いの道を進むなか…
親父は 死んだ。 ……朝の よく晴れた日の事だった
親父の死を看取ったのは 勿論僕だった
誰とも思えなかった筈の親父が死んでしまったとき
何故か 何故か…涙が止まらなかった。…親父…
…そして 親父は…死ぬ前に こんなことを言った
『 お前の母さんは…"悪"に殺されたんだ 』
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親父が死んでから 俺は何とか学校に通い直した
皮肉なことに、金を使う奴が1人になってからは余裕もある
……今でも 親父の最後の言葉が胸の中で生きていた
働きづくめの辛い日々を産み出した"悪" が
親父との会話を奪って母さんの顔を見せなかった"悪"が
"悪が許せない"___その気持ちだけが俺の頼りになった