>>13
(灯莉さんで絡ませていただきます)
白い霞が地を這う、それは川のように蛇行し前進する。
建物の影から相手の様子を伺う一人の女性――ファーレンハイト・灯莉、その体からは滾滾と白い霞が流れ出ており。
「御伽 華、22歳、異能は幸運体質、数々の窮地をその異能で切り抜けてきた」
御伽 華――現在灯莉が様子を伺っている相手の画像が表示されているタブレット端末の画面を灯莉の指が滑る、すると画面が切り替わりどこかの監視カメラの映像。
「なかなかに厄介な相手、そしてあちらも球体関節ちゃんとエンカウントですか、こちらもモタモタしていられませんね」
白い霞は音もなく華の足元に迫り。
(何かが凍る音でもしたのだろうか、それともただの偶然か――いや、どちらにしても小規模な奇跡。
足に霞が触れる寸前で気付き、飛び退く)
「……この能力」
(既に場所がバレていた、ということより、脳内に入れておいた情報と相手を照らし合わせる。
……警察――まぁ当然なのだが――ファーレンハイト・灯莉。
能力は――確か、極低温の霞を操る、だったか。
となればこちらが若干不利である。
氷漬けの氷像にはなりたくないし、まだ囲まれてもいない。
なので逃げるために足を動かそうとして)