>>17 華
「やはり避けましたね」
相手が飛び退いて避けたことを確認すれば建物の陰に身を隠して呟き。
「奇襲がダメなら強襲です」
地を這う一本の流れだった霞の川は上下左右、あらゆる方向に無数に枝分かれし、華を取り囲まんとする霞のネットを形成し。
「…………」
(囲まれた。
速度が遅いため猶予はあるが――
とりあえずグランギニョールの仲間に救援要請
……あちらもあちらで余裕は無さそうだし生徒も居なかったので正直効果は見込めないが。)
「……せめて出てきてくれないかなぁ」
(といっても、仕事帰りなためラケットは持っていない。
チョークと粉はふんだんにあるためまだマシだが――と、そこまで考えて、
「あ」と
何か思い付いたようだ)