>>19
「…………」
(囲まれた。
速度が遅いため猶予はあるが――
とりあえずグランギニョールの仲間に救援要請
……あちらもあちらで余裕は無さそうだし生徒も居なかったので正直効果は見込めないが。)
「……せめて出てきてくれないかなぁ」
(といっても、仕事帰りなためラケットは持っていない。
チョークと粉はふんだんにあるためまだマシだが――と、そこまで考えて、
「あ」と
何か思い付いたようだ)
>>21 華
ゆっくりと、だが着実に、霞のネットの形成は止まらない。
あと10秒もあれば完全に覆い尽くされるだろう。
「これでチェックメイトです、さぁ貴女はどんな奇跡でこの状況を切り抜けますか?」
姿を隠したままの灯莉は華に問い掛けるように、まるでこれから起こる奇跡を期待するかのように優しげな口調で呟いて。