>>25
(大量の粉を袋から出して、舞い上がらせる。まるで霧のように。
慌てたらタイムロスで、それこそ一瞬でやられる)
「……多分、これで……うまくいく」
(タバコを学校に持ってきていた生徒から没収したライターで、未だ漂ったままの粉に火をつけて
爆発した。
自分自身も吹っ飛ばされるが――それよりも風圧が速い。
霞は風に押されて後退していく。
大量の擦り傷を負いながら、それでも立ち上がって)
「……どこかな……まだあっちは霞が濃いから……」
(……霞を吹き飛ばしたとはいえ、多少時間を稼いだ程度)
「――!? 何? 爆発?」
響く爆音、灯莉は驚いた表情を見せすぐに辺りを確認する、霞は爆発で四散していた、そして少し離れた所に吹き飛ばされたであろう華が立ち上がる姿、どうやら負傷しているようだ。
霞は四方八方に飛び散ったが彼女の持つ奇跡の異能が働いたのだろう、華の周囲に霞はない。
「――包囲を破られたことは悔しいですが、彼女に手傷を与えられただけでも僥幸と捉えるべきでしょう」
今から霞を操ったのでは間に合わない、そう判断したのだろう、言って灯莉は華の方へゆっくりと歩きだし。
「どうやら貴女は切り札を使いきってしまったようだ」
氷のように冷たい視線を向けて一言、灯莉は手のひらに霞を集中させ凍結、バスケットボールほどの氷の塊を作り出し。