>>プロト
……いんや、私は酷い女だ。ただ好きなおかずは最後までとっておくタチ(性質)なのさ。
(一瞬だが相手の垣間見せた表情に目を見開くも、再び帽子を深くかぶり直せばいつものニヤリとした顔つきでそう言い放ち。どうやら一目惚れしてしまったらしい。チョロい女である。
何か言い出そうと口を開いた瞬間、携帯機器からバイブレーションが鳴る。見れば「異能者が拘束された後、団員共はトンズラしたので隊員は逃げた団員を追え」との事だ。タイミングが悪すぎると頭の中で毒づくが長居はできない。惜しいが最後に名前だけでも聞いておきたい。)
もっとアンタとお喋りしたい所だがどうやらそうもいかねぇようだ。
せっかくのご縁だ。最後に名前だけでも教えてくれよ。
>>ミーティア
(戦前へと駆け出してから数時間が経ちだいぶ敵数は少なくなってきた。どのくらい悪人を粛清する事が出来たのだろうか。
軍事用トラックの影に隠れつつも確実に敵を仕留めていく。戦況は都市警察の方が優勢である事は間違いない。しかし、ふと物音がし目をやると物陰から何かが投げ込まれる。転がってきたのは小さな正方形の形をした箱のようなもの。どうやら最新の兵器らしくそれが「プラスチック爆弾」という事は献にとって知る由も無かった。そんな事は知らず呑気に近くにいる相手に尋ね。)
……あァ?何だこりゃ。おっさん分かるか?
「……『傀儡姫』」
(彼女の言葉を聞いて、ぽつりと、言葉をひとつこぼす)
「『傀儡姫』にてございます。…………名前は、あまり都市警察にもらすのは、好まれませんようなので、そちらにて失礼を」
(そういうと、申し訳なさからか、もういちど、今度は裾を持つことはなくお辞儀をする)
「………帰還命令は出されていませんので、私はここに残ります、……さようなら、ごきげんよう、酷く優しい貴女」
(そう、機械的に微笑む、月明かりに照らされて、人形は美しく笑った)
「『百々路献』様」
「 ………(何故出てくるっ) 」
( 意味の見えない戦闘が続く …自然と積まれる死体の山
引き金に指を掛けるような御身分だと言うのに
言葉までは出なくとも 心の中で悪態を吐く )
( ……敵の勢いは大分衰えている、そろそろ
終わりは近いか 既に弾が切れた傘の柄を握り締める )
"おっさん分かるか?"
_______....
( …"異能"が脳へ視覚を流し込む
あれは…… !! )
「 迂闊だぞっ 献! 」
( 扉へ爆弾をすぐに蹴り飛ばし
傘を開いて献ごと自分の身を守る )
「 伏せろっ! 」