>>50
(聞こえてきた言葉に目を丸くして)
「……へぇ、殺さないんだ」
(半分覚悟を決めていただけにやや拍子抜けする。
降伏勧告なら受け入れるつもりである。――だが、)
「……いいよ、降伏しよう……けど、その代わり、こっちにも条件があるんだけど」
(灯莉の手元の氷球を見つめながら言う)
「ええ、そうして頂けるとこちらも余計な手間が省けて助かります」
こうなることを予想していたのか、相手の反応に特に驚いた様子も見せず、淡々と言って。
そして、腕が疲れたのか氷球を両手で抱え。
「それで、条件と言うのは?」