>>188
「お互い様やろ?それに営業スマイルなんて常識やで」
(嘘については正解であるが、人当たりのいい笑みを変えることはなくそのまま返答する)
「…ま、さっさと俺はお暇したいんやけどな?ま、ええよ、あとで、な」
「…はー、おっかな、やっぱ女は怖いなぁ、………『_____』やっぱそうなん?」
(シスターの気配が教会の中へと消えていったのを確認し、ぽつりと呟く、すると再び、声にならない音が聞こえてくる)
『───、─────、─』
「そっかぁやっぱそうなんやな、っはー困ったもんやわ、聞いとった?『二羽の鴉』嫌いやって、『フギン』と『ムニン』の話やろあれ、おっそろしいわぁ、…」
『──…─、─』
「ん?あぁ、きにせぇへんでええよ、平気や……いつ帰ってくるかもわからへん、また隠れときぃや」
『…………』
(そう告げると、音は再び聞こえなくなった)
…うふふ、ごきげんよう。
神父さま。お待たせいたしましたわね。
(風に揺れる草むらの上を歩き、目映い星空の下で修道女が姿を現す。
相変わらずにっこりと形のいい笑みだけを浮かべて。)