あらあらあら…詩人のお客人ですか?
うふふ、少しお待ちになってくださいね。
(黒い修道服をひるがえし、宿に近寄る。息が触れ合うほどの距離でコツリと踵を鳴らした。
その刹那、小さな魔法陣が宿の足元まで広がり、宿の体は信者共の部屋に送られた。)
なにかご用でしょうか? あなたも救いを?
ならばわたくしが導いてさしあげますが。
おまえ、転送する気かっ
( 床からの眩い輝きは言わずもがな魔法陣。この女何ニヤけてんだ。ムカつく。ほんとに死んでほしいと思った。だから今一瞬の隙に、眉間が痛くなるほどのこの怒りで破片を握りしめ、赤黒二本角の女目掛け思いっきり振るうッ、 )
…っ
( パッと置換した景色。手の血がぴちゃりと飛んだ音。空虚を切り裂いた後の動作は不恰好に半身が歪む。静かに並ぶ信者たちの目の前で。 )
卑怯者!卑怯者!ぶっころしてやるっ!
わた、オレを雑魚扱いしやがって。そうだ。
いいこと思いついた。