こんばんわ(*^o^*)
*黒猫*
あざあっす!!
黒猫も頑張ってね( ´ ▽ ` )ノ
初回・>>98 前回・>>414
+青い海原は知っている+
信乃の姿が見えると、毛野は安堵の息をついた。
信乃は相変わらず怒っていて、毛野の目をみようとしない。
毛野はその事を悲しそうにしていたが、
直接口に出すことは無かった。
ただ、水着を交換する際に、
「ホントにおばあちゃんの家いくんだよね?」
と探りをいれてきただけだった。
彩は嘘を突き通す自信がなく、下を向いていた。
毛野と水着を交換して、問題となったのは服だった。
まさか水着で街へは出れない。
彩と信乃は祖母の家に行くつもりは毛頭無いので、
失念していたのだった。
彩は着替えを持っているが、
信乃達の服は当然義母が持っている。
気付かれずくすねるのは不可能だった。
仕方が無いので海の家で服を買う。
丁度良いサイズが無く、
だぼだぼのTシャツに水着という格好で落ち着いた。
なんだか不恰好で、ちょっと幼く見える。
彩がそう言ってクスクス笑うと、
信乃はちょっと恥ずかしそうにそっぽを向いた。
そのまま2人一緒に砂浜を出、近くの遊歩道を歩いていた時だった。
唐突に、信乃が言った。
「おねえさん、ごめん。おれおねえさんの事だましてた。」
意味がわからずきょとんとする彩に、信乃はさらに言葉を重ねる。
「さっきほちょうきわたしたの、
ホントはおねえさんを信用できるかみはるためなんだ。」
そう言って、申し訳無さそうに俯く。
「でもおねえさん、おれのこと何も言わなかったね。
会話、見てたんだ。」
どこで。と彩が聞く前に信乃は唇を指した。
「どくしんじゅつ。おぼえたんだ。」
読唇術。その名の通り唇の動きから音を読み取る能力だ。
片耳が聞こえないことを不意に思い出す。
彩はばつが悪く下を向いた。
「おれがおばあちゃんの家にいけないホントの理由、話すよ。」
そう言って信乃が語り出したのは、
意外にも打算に塗れた、さっきのやりとりの側面だった。
「最初からおかしいと思ったんだ。
こっそり抜け出しておばあちゃんに会いに行こうだなんて...
いつも、そういう事をいいだすおれを毛野がとめてたのに。
でも、さっき話してわかったよ。」
信乃はぱっと顔を上げた。
その目には、深い怒りがぎらついている。
「あいつはおれを追いはらいたがってる。
つまり、今日ここでおれに見られたらまずいことをするんだ。
だから、おれは毛野をみはる。」
太陽の光を背に受け、表情は逆光でよく見えない。
しかしその剣幕に、思わず彩はたじろいだ。
「思いすごしかもよ...?」
信乃は笑った。
「ううん。おれわかるんだ。
毛野は今日、お母さんと会うんだよ。」
笑みからは寂しさが滲み出ている。
子供とは思えない、諦めと理不尽に耐える笑顔。
見るに耐えなくなって、彩はぎゅっと信乃を抱きしめた。
「おねえさん..?」
不思議そうな信乃の声。
彩は抱きしめた腕を離さず、無理に笑った。
「大丈夫、私協力するよ。」
信乃くんの気がすむまで、という言葉は飲み込む。
正直に言えば、彩はこの時、信乃の言う事を信じていなかった。
ただの思い過ごしだと思っていた。
本当は、信じていなかったのだ。
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くそ長い。ごめんね〜
こんばんわ。
*コアラs*
初めまして!葵子です(*^ ^*)
呼びタメしていい?私はおkです、よろしくね〜!
*白猫*
うん、是非書いて!!
楽しみにしてますね。
初回>>98 前回 +青い海原は知っている+
あの後信乃と彩は、
海の後ろの雑木林に隠れて毛野達の様子を見ていた。
見張り始めて数十分で、事態は激変した。
「義母さんが、けのがいない!って言ってる...」
ここまで声が届かないため、読唇術で
信乃が実況する。
最初に気付いたのは信乃と毛野の義母だった。
信乃と毛野が入れ替わった事には気付いていない。
「やっぱり、おれが聞いてたけいかくとは違う...」
毛野から聞いた、と信乃は言う。
信乃行方不明の発覚はなるべく遅らせると。
なのでいくらなんでもこれは早すぎる。
故意に、気付かせたとしか思えなかった。
「毛野がなんか言ってる。
お、れ...か?け..おおさかす...た..い..大丈夫、..こ..お..いいしゃんがいる?」
唇の動きだけでは会話を読み取るには限界があった。
しかし、彩がその言葉を読み解いた。
「おれが毛野を探す、大丈夫、このお兄ちゃんがいる、だと思う...!」
信乃が毛野(信乃に変装中)を食い入るように見つめた。
「ひとの少ないほうへいってる!」
追いかけるまでも無かった。
何故なら、毛野と翼はまっすぐこちらへ向かっているのだから。
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長めなので二回に分けます。