こんばんわ。
*コアラs*
初めまして!葵子です(*^ ^*)
呼びタメしていい?私はおkです、よろしくね〜!
*白猫*
うん、是非書いて!!
楽しみにしてますね。
初回>>98 前回>>415
+青い海原は知っている+
あの後信乃と彩は、
海の後ろの雑木林に隠れて毛野達の様子を見ていた。
見張り始めて数十分で、事態は激変した。
「義母さんが、けのがいない!って言ってる...」
ここまで声が届かないため、読唇術で
信乃が実況する。
最初に気付いたのは信乃と毛野の義母だった。
信乃と毛野が入れ替わった事には気付いていない。
「やっぱり、おれが聞いてたけいかくとは違う...」
毛野から聞いた、と信乃は言う。
信乃行方不明の発覚はなるべく遅らせると。
なのでいくらなんでもこれは早すぎる。
故意に、気付かせたとしか思えなかった。
「毛野がなんか言ってる。
お、れ...か?け..おおさかす...た..い..大丈夫、..こ..お..いいしゃんがいる?」
唇の動きだけでは会話を読み取るには限界があった。
しかし、彩がその言葉を読み解いた。
「おれが毛野を探す、大丈夫、このお兄ちゃんがいる、だと思う...!」
信乃が毛野(信乃に変装中)を食い入るように見つめた。
「ひとの少ないほうへいってる!」
追いかけるまでも無かった。
何故なら、毛野と翼はまっすぐこちらへ向かっているのだから。
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長めなので二回に分けます。
初回>>98 前回 +青い海原は知っている+
どんどん近付いてくる2人に息を飲む。
這いずるようにして竹林の奥へ引っ込む。
「嘘...バレてる?」
呟く彩の口を信乃が手で塞ぐ。
「しぃっ!」
毛野達はどんどん進んで...竹林の前で止まった。
「おまたせ。」
竹林の前で立つ『誰か』に、毛野が声をかける。
彩たちに気付いた訳では無いらしい。
とりあえずそれに安堵する。
「いえ、よく来てくれたわね。」
澄んだ女性の声が聞こえた。
ひゅっと、隣で息を呑む音が聞こえた。
「まさか...!?ほんとに、かあさんだ...」
切れ切れに、聞こえる抑えた声は、
細く、弱く、糸のようだった。
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「毛野、そちらのお兄さんは?」
信乃と毛野の"かあさん"が聞く。
「表の計画にきょうりょくしてくれた人だよ。」
毛野が答える。
翼は混乱しているようだった。
「どういう事?表と裏って何?この人って誰だよ。」
「巻き込んでしまってすみません。こちらの話ですわ。」
完璧な、淑女の笑顔。
しかし、目には狂気と欺瞞が渦巻いている。
翼は居心地悪そうに息を詰める。
そして、微笑んだきり毛野とかあさんは会話を続けた。
「ここにいるのは、信乃には知られていないのですね?」
「...しられてない。」
かあさんは平然と問うた。
その質問のあいだじゅう、ずっと隣で黙ってる信乃。
小刻みに震えていて、いまにも消えてしまいそうだった。
彩が信乃をぎゅっと抱きよせる。
「本当に、貴方は私の子供に戻るのですね。」
信乃は弾かれたように顔を上げた。
その目は開かれ。目一杯に恐怖が塗りたくられていた。
毛野はこの世で最も残酷な言葉を吐いた。
「うん。」
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信乃くん、裏切られます。あと3話(ぐらい)で完結!!