☆☆探偵チームKZ・G事件ノート part1☆☆

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435:葵子◆MQ:2016/02/15(月) 23:26


*白猫*
感想ありがと♪インフル!?お大事に...!
私も感想を笑 アーヤ超焦ってるね!!
どう切り抜けるんだろ!?
頑張れアーヤ!そして白猫も、インフル乗り越えてね〜


でわ小説更新。一文重複してます。

初回>>98 前回>>430
+青い海原は知っている+

「それじゃあ...おれは...おれは...」

毛野が呟いたその時。
絶望の雰囲気を、張りのある女性の声が切り裂いた。

「しのーっ!けのーっ!」

涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、
見るからに若い義母は2人にだきついた。

「両方いなくなってどうすんのよ!
心配したじゃないのーっ!」

信乃も毛野もぽかんとした。
その目にだんだん涙が溢れ、溢れ。

やがて2人とも泣き出した。

いきなりの涙の大合唱に戸惑いながら、養母は、

「ああもう2人とも泣き出して!」

と自分も泣きながら2人の涙を拭いてやっている。

「いいお母さんだね。」

翼も、苦笑して頷いた。

「どうやら、すれ違ってただけみたいだね。」

毛野が後から話してくれた話はこうだった。

ずっと連絡の無かった実母からある日、
毛野に連絡があり。

その内容が自分の跡取りになれば、
信乃の耳を治すというものだった。

信乃の耳について責任を感じていた毛野は、
提案に乗ってしまおうとした訳だ。

「おれの耳はどうせ治んないし、
おれは耳より毛野のほうが大事だよ。」

そう信乃は言って毛野の頬をつねった。養母も、

「今はまだ見分けらんないけど、
いつかかあさんって呼んでもらえるように頑張る。」

そういって2人の子供を脇に笑う姿は、
ちぐはぐで不器用だけど家族だった。

ひとつ、生まれた家族と、
ひとつ、散った家族と。

大海原だけが変わらずに、ざざーんと波を返すのみだった。

「さよならー!」

家族に手を振り、別れる。

日が暮れかけ、朱に染まる空。
長く伸びる影を見ながら、彩はつぶやいた。

「遊びに来たのに、なんだか疲れちゃった。」

翼が応える。

「でも、なんだか貴重な体験だね。」

不意に体を傾け、彩の顔を覗き込みにやりと笑う。

「また来る?」

彩も笑った。

「そうだね。考えとく。」

朱に燃える空と、海と、太陽と。
あの家族をこの砂浜で見ることは、
きっと一生無いんだろう。

なんだか、それがとても嬉しかった。

_____________
最終話です!完結です。
次回、おまけ&お知らせです。笑 でわでわ!


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