*白猫*
感想ありがと♪インフル!?お大事に...!
私も感想を笑 アーヤ超焦ってるね!!
どう切り抜けるんだろ!?
頑張れアーヤ!そして白猫も、インフル乗り越えてね〜
でわ小説更新。一文重複してます。
初回>>98 前回>>430
+青い海原は知っている+
「それじゃあ...おれは...おれは...」
毛野が呟いたその時。
絶望の雰囲気を、張りのある女性の声が切り裂いた。
「しのーっ!けのーっ!」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、
見るからに若い義母は2人にだきついた。
「両方いなくなってどうすんのよ!
心配したじゃないのーっ!」
信乃も毛野もぽかんとした。
その目にだんだん涙が溢れ、溢れ。
やがて2人とも泣き出した。
いきなりの涙の大合唱に戸惑いながら、養母は、
「ああもう2人とも泣き出して!」
と自分も泣きながら2人の涙を拭いてやっている。
「いいお母さんだね。」
翼も、苦笑して頷いた。
「どうやら、すれ違ってただけみたいだね。」
毛野が後から話してくれた話はこうだった。
ずっと連絡の無かった実母からある日、
毛野に連絡があり。
その内容が自分の跡取りになれば、
信乃の耳を治すというものだった。
信乃の耳について責任を感じていた毛野は、
提案に乗ってしまおうとした訳だ。
「おれの耳はどうせ治んないし、
おれは耳より毛野のほうが大事だよ。」
そう信乃は言って毛野の頬をつねった。養母も、
「今はまだ見分けらんないけど、
いつかかあさんって呼んでもらえるように頑張る。」
そういって2人の子供を脇に笑う姿は、
ちぐはぐで不器用だけど家族だった。
ひとつ、生まれた家族と、
ひとつ、散った家族と。
大海原だけが変わらずに、ざざーんと波を返すのみだった。
「さよならー!」
家族に手を振り、別れる。
日が暮れかけ、朱に染まる空。
長く伸びる影を見ながら、彩はつぶやいた。
「遊びに来たのに、なんだか疲れちゃった。」
翼が応える。
「でも、なんだか貴重な体験だね。」
不意に体を傾け、彩の顔を覗き込みにやりと笑う。
「また来る?」
彩も笑った。
「そうだね。考えとく。」
朱に燃える空と、海と、太陽と。
あの家族をこの砂浜で見ることは、
きっと一生無いんだろう。
なんだか、それがとても嬉しかった。
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最終話です!完結です。
次回、おまけ&お知らせです。笑 でわでわ!