魔咲美「えっと・・・・・確かこの辺りに・・・・・っ!?」
(その見た目からはとても牛鬼を倒せるとは思えないような少女が牛鬼をまるで座布団のようにして座っているのを見て、目を擦り二度見する・・・・・
これは現実か、それとも珍妙な夢か・・・・・
いや、もしかして相手も牛鬼のように何かしらの妖怪なのか、様々な憶測が脳裏を過ぎる・・・・・)
初代巫女
「……んー?
アンタ、集落の人間じゃないね?」
明らかに圧倒的な体格差がある牛鬼を無傷で倒した巫女服の女は魔咲美の姿が視界に映ると、ふとその風変わりな格好から集落に住んでいる者じゃない事に気付き、問いかけてみる。
まだ里どころか村にも満たない小さな集落。
元々は人里離れた辺境の地に隠れ住む変わり者が集まって出来た集落であるため、人間の数も数十人しかいない。
そのため、稀に買い物に行く事もある集落では見掛けたことの無かった相手を見て不思議そうにみる。