〜お昼休み 屋上にて〜
「落ち込むなって!陽奈美!」
と、愛実が私を明るく慰めてくれている。
でも私は
「だって…暴力振っちゃったんだよ?」
と、涙でびしょ濡れになった顔を愛実に向ける。
愛実はため息をつき、一枚のティッシュを私に手渡した。
私は短く
「ありがと。」
と、お礼を言うと、びしょ濡れになった顔をこれでもかって言うくらいにゴシゴシ拭いた。
そのせいか肌が少しばかりヒリヒリする。
そしてしばらく沈黙が続いた。
私は気まずくなり、この場から去ろうとした。
ドアノブに手をかけようとした時
「あのさぁ。」
と、愛実が口を開いた。
「陽奈美って
いっつもそうやって逃げるんだ。」
と、鋭く言われた。