どんなに叩いても、蹴っぽっても男は軽々と階段を登る。 私そんなに軽くないのに…………
奏太たっつったけ?この男。
「ちょっ、あの子達になにかしたら許さないんだからっ!!」
口調が少し震えている気がする。
「お前…………黙ってないと、殺されるぞ。」
男が始めて口を開いた。 男はサングラスをかけていて、目は見えなかった。
「なに……?どうせ殺すつもりなんでしょ!?」
男が、大きく溜め息をついた。
「ま、それは後からのお楽しみってことで。」
「ふっ……、絶対逃げ切ってみせるんだから。っていうかもうじき警察が来て、あんた達も捕まるわ。」
その時、男が声を張り上げ笑った。
「悪いがな、警察なんかに俺らを捕まえることはできない。」
「……は?どういうことよ。」
「この学校の人数は1300くらい居るだろ?だがな、鉄砲は200丁、人数は150のこっちを相手にするのは
やっぱし、しんどいかもな。」
う……嘘、そんなに居るの?
もう声が出なかった。ここで声を出しただけで、殺されそうだったから。
でも、後で射殺されるくらいなら――――っ!
「早く…………殺しなさいよっ。」
そう言ったところで、相談室前まで来た。 男はドアを開き、そこで私を下ろした。
私は足が地面に付いたと同時に、木が剥がれて壊れているイスが目に入る。
人は私しかいないようだ。すごく静かだ。
私は背中をべったり壁につけた。
呼吸をするのも気まずいくらいの静けさ、男から出ている 声を出すな という圧力とオーラ。
やっぱり、死ぬしかないよね…………
私は、静かに目を閉じた。
>>10 の ×私は足が地面に付いたと同時に、木が剥がれて壊れているイスが目に入る。
人は私しかいないようだ。すごく静かだ。 は、↓
○私は足が地面に付いたと同時に、相談室の一番端に行った。
気が剥がれ、ボロボロになったなんとも無残なイスに、目が行く。
人は私しかいないようで、すごく静かだ。
です。