「ねっみぃー……」
朝五時起床だった私はもう生が感じられない…
「ふぁ〜…おはよぅ夏美〜」
うぉー…由紀も眠そう…
でも、そうだよね。
えーっと今日は…ほほう広島ブラリのあと京都ですか!
確かゆっティー(担任の濱祐介の愛称)が今日はハードになるって言ってたなぁ…
うん!授業よりかマシか!
「ってことでバスのれ〜…ふぁ〜ぁ」
ありゃりゃ!
いつの間にか出発式終わってたよ!
ま、どーせ別に大したこと言ってないだろうから気にしないでおこう!
んーっとバスバッス〜
ででんででーん♪
「おねがいしまーす」
えーっと私の席は〜…
…おっ!あったあった。
真ん中辺りの窓際〜
ちょーっとズルしてGETしたんだ〜
翔くんは一番後ろの男子グループに座った。
直樹と由紀は隣同士だったっけ〜
ふふーん…しっかり観察させてもらおっ♪
「出発するぞ〜」
「「「はーーーい!!」」」
おー……
お母さんとお父さんがちっちゃく見える…
ふぅ…暇だな。
しおり見ようッと!
「しおりーしおりー♪」
__ガサガサガサ
あり?ないぞ?
朝急いで準備したからなー
適当に入れちゃったんだっけー
__ガサガサガサ
…お!あった〜!
…うぇ、なんか濡れてる…
慌てて、鞄の中を見ると…特に変化はなかった。
あれれ?でも濡れてるってことは水筒なんだろうけど…
「水筒…あったあったっ!……ぬ?」
水筒に触ると水っぽい感触があった。
ま、まさか…
水筒洗ったあとのまま入れたんだー!
ててててててことは…
__カチャカチャ
「ぬあ〜…やっぱり中身がないぃ〜」
う〜…今日は絶対必要だったのにぃ〜
どうしよ〜
由紀に貸してもらう?
う〜んでも〜…いーや!そうしよ!
「…ん」
ん?
なんでタオルが目の前に…?
顔を上げるとそこには…
「翔くん!?」
なんで?翔くんは後ろの席だったはずなのに!
「あいつらが…行けってうるせぇから」
あいつら?
ひょこっと翔くんの目線を見た
…っ!光くんの仕業か〜っ!
光くんは学校1のイケメンだけどカップルをからかって反応を見るのが好きなイタズラ男子。
ったく!大人しくしとけば王子様なのになぁ〜!もったいない!
「…手拭けば?濡れてる」
手?
手〜?…あ、ホントだ濡れてる
水筒触ったときに濡れちゃったかな?
「…聞いてる?」
「あ!うん!でも大丈夫だよ!自分のタオルで拭くから!翔くんのタオル濡らしたら今から翔くんが困るもん」
「いーから」
「へーきへーき」
「……ったく。しょうがねーな」
「へ?」
翔くんが私の手を取り、持っていたタオルで優しく拭いてくれた
ひゃ〜…///
天然?計算なの?何なの?
私の心臓はドキドキMAXで当たり前だけど赤面した。
「……これだけで赤くなんの?」
私にとっては凄いことなんです〜…!
「…はい。終わり」
「あ、ありがと〜……」
「…って座っていい?」
「へ?」
あ!そう言えば翔くん立たせたままだったんだ!!
いけないいけない!
「ここから揺れますからシートベルトをつけてくださーい」
__ガタガタッ
「うわっ」