月曜日。
天紀たちの家に、引っ越し業者の車と
赤いスポーツカーが停まった。
スポーツカーから降りた紅音は水瀬家のインターホンを押した。
すぐに玄関が開いて、天紀と未月と双亮が、出迎えてくれた。
「え!?双亮センパイ!?どうしているんですか?」
「いやー紅音ちゃんが引っ越してくるって聞いて、お手伝い。」
双亮は、親指を立てて
紅音のほうに突き出した。
「そうだ、紅音。今日は私たち学校お休みするから、お部屋の片付けとかしてお買い物行こう?」
未月はニコッと笑った。
そこに車から降りた紅音の母がやって来た。
「どうも、おはようございます。紅音の母です。こんな娘ですがどうぞよろしくおねがいし…って、イケメンと美少女がいる!!」
紅音の母は、下げていた頭を上げると
目にもとまらぬ速さで、名刺を出した。
「あの、もりーん芸能事務所の社長をしています。森内沙也加(さやか)です。ねぇねぇ。みんなさ、芸能界に興味ない!?」
「ちょ、ちょっとお母さん!みんなそんなの興味ないって!」
「いいじゃない!紅音も入れて4人でやってみない!?」
紅音の母の眼はすごくきらきらしていた。
そこにすかさず双亮が、
「えー!?何それ何それ。面白そー。」
と首を突っ込んできた。
それを紅音の母は見逃さず、双亮のほうを向いた。
「でしょ!?うちの事務所は基本的に恋愛オッケーだし、楽しいと思うよ!」
「だって!天紀!未月ちゃんも!!俺やってみたい!」
「えっと、よくわかんないけど、それって楽しいやつなの?」
未月が首を傾げながら聞く。
それに続いて天紀も、口を開く。
「それに、俺たちどんな仕事すればいいんですか?」
「お、やる気になってくれたかな??どうする?やるって言ってくれるんなら今からでも仕事の話をするけど」
天紀は、はぁ、とため息をついてから
未月の顔を覗き込んだ。
「未月、どうする?やってみたい?未月がやるんならお兄ちゃんもやる」
「え、うん!!私、やってみたい!」
未月はまるで、ぱぁぁ、と効果音が鳴りそうな
笑顔で答えた。
「じゃあ決まりね。と言ってもいろいろ手続きが必要だから、また明日も学校休んでもらうことになっちゃうかも。
学校側には、私から連絡しておくわ。一応聞くけど、あなたたち、ルイッターとかやってないわよね?」
紅音の母は真剣なまなざしで
4人を見た。
「「「「やってないです」」」」
「わかったわ。じゃあまた明日。」
そう言って紅音の母は
スポーツカーに乗り込み
ゆっくりと車を発進させて帰って行った。
>>85 のルイッターもTwitterの作者オリジナル版です。
わかりにくくてすみません