ぐらりと、視界が歪んだ。いや、体から何かが抜けた。
目を開いているのに真っ暗闇新座市放り込まれた様な
そんな感じがする。
体が無意識に倒れて、気が付けば地面に体をつけていた。
体育着に張り付く汗と熱い砂利が混じって嫌な気分だった。
「__丈夫か。大丈夫か」
途切れる意識の中に聞きなれた彼の声が聞こえた。
次に意識を戻したのは何時だろうか。
カーテンから差し込む日が橙色に染まりかけていた。
体を起こすと保険医の先生が私のそばへ座った。
「起きたのね。熱中症みたいだから一応これ飲んで」
そう言われて差し出されたのはコップに注がれたスポーツ飲料だった。
「頂きます」
私は返事をしひやりとしたコップを両手で持ち、一口喉に通す。
なんとも言えない感覚で、不味く感じた。
飲んだのは市販のものなのに、ずっと不味く感じた。
「そう言えば三年生の日川くんが貴方を
おぶって来てくれたわよ。お礼、後で言ってね」
ああ、思いだした。これが不味いのはきっと彼が居ないからだ。
そう思い、何とか空にしたコップを保険医に渡す。
彼女はさっと受け取り、薬の戸棚の方へ歩いていった。
>>17誤字しました。
新座市→に
ですね。失礼しました。