赤岸はそれを聞いて震えあがった。
自分の体の中に何か恐ろしいものが入り込んだような、
そんなイメージが脳内に浮かんでくる。
「い、いやだ! 元に戻してくれ!!」
「それはできません。貴方はもう、能力無しでは存在できない体なのですから……」
能力無しでは存在できない。その言葉が彼の頭にビシッと張り付く。
話しながらフフと妖しげに微笑む二木の顔を見て、言い知れぬ恐怖が彼を襲った。
「ど、どういうことだ!」
二木は不安げな表情の赤岸の胸を指さし、堂々と言い放った。
「あなたは今、能力によって生かされている“ただの死体”なのです!!」