pet story!

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2: ◆c.:2015/05/16(土) 20:35 ID:mBg


それはとある日曜日に起こった出来事。
田舎に一人暮らしをしている青年の未彩は、現在週に一度の休日に入っている。
ゆっくり休もう、でも家事しなきゃ…とベッドに横になりながら今日の事を色々と考えていた。家事の他にも、あまり人が居ない田舎に一人暮らしは寂しいと何匹かペットを飼い始めたため、その世話もしなければいけない。
このままずっと寝転がっていても体が鈍ってしまうと思い、足を胴体と垂直にさせて思い切り起き上がる。ベッドから降りれば大きな欠伸を一つ吐きながらクローゼットを開け、今日の服を選び出した。
「今日は休みだし…部屋着で良いか」
そう呟きながら選ぶこと約2分。クローゼットの中から適当に服を取り、ベッドへと放り投げる。
上の寝巻きの脱ぐと、目の前の鏡に映ったのは腕の傷。これはペットで飼い始めた猫に引っ掻かれてしまったために付いた傷跡であり、今でも少しヒリヒリと痛い。
その猫の名前は「モカ」。実際にはオスなのだが、猫を飼って舞い上がっていたらオスなのかメスなのか知らずに着けてしまい、この名前になってしまった。
「モカかぁ…」
ぼそりと呟き、寝巻きから部屋着へと着替えるスピードを速めた。


着替えと身支度を終えれば、続けざまに階段から降りる。階段の横から落ちないようにある壁には、モカの爪研ぎに使われてしまったのだろうか、傷が付いていた。
朝食を食べようとキッチンの扉を開ける。
「…ん?」
するとそこには、白い毛を身体中に生やしたモカが床にちょこんと座っていた。
「あ、ご飯? ごめんね、今用意するから!」
喋るはずがないモカに未彩がそう言うと、パタパタと慌ててキャットフードを準備し始めた。
…喋るはずがないと、思っていた。




「早くしてよ、頼りないな」







「…え」


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