pet story!

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3: ◆c.:2015/05/18(月) 21:08 ID:mBg


「…え」

誰かの声が聞こえたが、この家には未彩一人しか居ない。いや、隣にモカ、そして他の部屋に数匹のペットが居るが、人間じゃあるまいし喋らない。気のせいだろう、と適当に流し、未彩を見上げているモカの事も気にせずにキャットフードを容器に入れていた時だった。
「お腹空いた。早くしてよね」
また同じ声だ。今度こそは怪しいと思い、未彩は辺りを見回すも、やはりモカ以外誰も居なかった。
「気のせい…だよね…」
「何言ってんの。下に居るでしょ」
改めて聞いてみると、何だか下から聞こえる気がする。 “ まさか…床の下に人が!? “ なんて恐ろしい事を考えてしまったが、とりあえず下を見てみる。
するとそこには、やはり未彩を見上げたモカしか居なかった。
「…神様、もう一度喋って下さい」
「神様じゃないよ。今見てるでしょ」
モカが口を開くと同時に、モカの方から声が聞こえてくる。そこで未彩は、やっと今の状況を理解した。
「モカ喋れるの!?」
恐ろしいとも怖いとも思わずに、目をキラキラと輝かせてモカを持ち上げる。すると、モカは如何にも嫌そうな顔で「気付くの遅」と述べた。
何故喋らない筈の動物が喋ったのに “ 怖い “ という感情が無いのか。それは、自分のペットが喋っているのなら怖くないや、という何とも単純な考えをしたからである。
「だってモカが喋るなんて! ごめんねー、お腹空いてる?」
「空いてる。早くして」
持ち上げたモカを床へとゆっくり降ろせば、再びキャットフードを容器に入れ始めた。そんな未彩を見れば、モカは面倒臭そうに言い捨て、扉の前にお座りをした。


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