凄い文章書くの上手だね!
尊敬する☆
>>7:有難うございます。
拙い文章で遅めの更新ですがこれからも
お読み頂けたら幸いです。
>>8:名前とトリ変えたのに分かってくれるとは…
有難うございます。
今回は一応携帯のメモですが構成書いといたんで
頑張って続けます(笑)
これからも拝読お願いします。
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
あの日を境に透と遊ぶことはなくなった。全部嘘だったかのように。
「__ただいま電話をかけることが出来ません」
電話をかけてもコール音の後に彼が出ることはない。
もしかしたらと思ってかけては静かに受話器を戻す。
中二の夏休み最後の日だった。忘れていた頃に電話が鳴り響いた。
「……もしもし? 透?」
受話器を手に取り彼か確認した。
「千代。駅の一番ホーム……最後に来て」
最後という言葉で悔しさからか服の裾を強く握りしめた。
「____待ってて」
受話器を振り下ろすかの様に戻した。
階段を駆け上がって着替え、また降りる。
家族に用事を伝える時間も作らないまま私は玄関を開け、
雨に晒されて錆びた自転車を音を立て目一杯漕いだ。
畦道を走り抜け、嗚咽を堪え坂を上がる。
「透……待っててね……お願い」
掠れた声でそう吐いた。
駅に着くと自転車を投げ捨てるかのように駐輪し、改札を潜った。
一番ホームへ続く階段は誰も通らなくてその奥から透らしき人影を見つけた。
階段を降りたところで私は立ち止まる。
ホームの外側から入る日光が眩しくて空が消されてしまいそうだった。
涙で彼が見えなくなりそうで、私は上を向き目を閉じる。
そしてパッと目を見開いて人生の中で一番大きな声で彼の名を呼んだ。
「透……!」
彼はそれに気づき私の元へと駆け寄った。
「ずっと前から好きだった。ずっと、ずっと前から……」
早口で私は伝えた後、膝がガクッと一気に崩れ泣き喚いた。
「ごめん。ごめん…………」
ふと見上げると彼も泣いていた。
「俺も千代のこと好きだから……また来るから!」
彼はそういったあと彼の両手で私の手を包んだ。
温かくて、昔より何回りも大きくなってて、その温もりから
離れることに恐怖を抱いた。
ずっと会えないんじゃないか、そう思って。
「……また会おう」
嗚呼、遠くから電車の音が聞こえた。
「絶対……絶対会おうね」
そういうと彼は悲しげに微笑み手を振った。
彼は電車に乗りこみ、そして電車は発車した。
白いワンピースがふわりと揺れた。
電車が一瞬で通り過ぎて、彼も連れ去られてしまった。
魂が抜けたように階段を上がり改札を抜けた。
そして駅を一歩出て空を見上げる。
____とても青く透きとおった空だった。
第一話 透き通る