*キミと見た景色*
「ママ、パパー!」
「どうした?菜乃。」
「疲れたー!」
当時5歳のあたし、柴崎菜乃葉。
「疲れたって言われたっておばぁちゃん家すぐそこだよ??」
そう言いながら笑顔で手招きするお母さんが可愛くてすぐにママー!と笑顔で手を握る。
「はい、着いたぁー。」
そう言うとお父さんがインターホンを鳴らす。
開いた扉から笑顔の顔を除かせるあたしのおばぁちゃん。
「あらぁー、いらっしゃい」
「ばぁー!」
「菜乃ちゃん、今日はね、近所の花火大会があるんだよ。」
花火大会。
「いきたーい!」
「いいよ、じゃあ、まずはおめかししようねぇ。」
「菜乃ちゃん可愛いよ。」
おばぁちゃんが、浴衣を着付けてくれた。
「菜乃って感じの浴衣だね。」
お母さんの笑顔。
菜乃の浴衣は白地にピンクの桜。
名前は『菜の花』なのに『桜』なんて変かな??
「よし、じゃあ行こうか!」
「うんっ!」
あたし達は花火大会が行われる浜辺に向かった。