少女は興味が無くなったのか、くるりと盗賊の男達に向き直る。その双眸はとても冷たいもので盗賊達を後退りさせた。
「さて、次は誰からああなりたい?私は誰でもいいんだけどね・・・」
感情の感じられ無い声音で言ったかと思うと次の瞬間にはその場から消えていた。盗賊達はどこから来ても良いように身構える。
が────────。
「そんなんじゃ私の身体に傷一つつけれないよ?」
そんな声と共に鳴り響く甲高い金属音。少女の斬りあげた剣が男の持ってる剣を弾き飛ばし無防備になった所で強烈なボディーブローを捩込ませる。
「ぐほぉ!?」
腹部に攻撃が来るとは思わなかった男は全く腹筋に力を入れておらず身体をくの字に曲げ唾液を撒き散らす。足を引っ掛けてやり、地面に転ばすと後頭部を掴んで硬い砂に叩きつけた。一回、二回、三回と鈍い音が響き辺りが血の海になる。少女は片腕で男の首を掴むと盗賊の方へ放り投げた。
ドシャっという男が落ちる音と同時に盗賊達の顔が戦慄に染まる。