音羽、キミはいつも笑っていた。他の表情なんて見た事がないかもって思ってしまうくらい笑顔しか僕に見せてくれなかった。ねぇ?キミの笑顔がずっと僕の頭から離れない。僕はそのたびに涙を流す。もう一度止まった時間が動き出す事を願って。
真っ青な空に浮かぶ雲、そしてその下にいるちっぽけな僕。今日も思い続ける。音羽はなんで最後まで笑っていたんだろうって…。なんで最後まで人の事ばかり心配していたんだろうって。
あまり思い出したくない話だが、3年前音羽という真っ白な女の子が死んだ。音羽は僕の友達でいつも僕の事ばかりで自分の事は後回しにして、そしていつも笑っていたそんな女の子だった。そんな音羽が最後僕に言った言葉、それは、
『私は心配しないで。叶はまだまだこれからがあるの、物語の続きが。だから、ね?そんな悲しそうな顔をしないで。』
こんな感じだ。そこまで、そんな時にまで人の事ばっかり。少しは自分の事心配しろよ、そう思うのは俺も普通だと思う。自分の物語が終わるっていうのに…。