涼平目線
「ねえ、りょうくん。私を、誘拐してほしいんだけど」
全てはこの一言から始まった
「は!?瑠璃。んなことするわけねーだろ」
当たり前のような返事をする。
そりゃまあ、普通だろ。
それでも瑠璃はしつこい。
「てゆーか、いい加減るりりんって呼んでよ。
それに、私本気だから。冗談とかじゃないし」
なぜ、瑠璃はこんなことを言うんだ!? あ、言い忘れていた。
俺と瑠璃は、遠い親戚。
「んー、なんでんなこと言うんだ?」
「だって、もう…独りなんて、嫌」
瑠璃は何を言っているんだ?
「お前には父さんも母さんもいるだろ」
「でも、私なんか要らないって…」
よくよく聞いてみるとどっか可哀想だ。
ま、ちょっとなら助けてやっか。
「おお、じゃあお前が孤独じゃなくなるまで、
預かってやんよ。親に連絡しとく」
「ダメ!連絡しちゃ、ダメなの!意味ないじゃん!」
そんな必死になられても、なあ。
それか、俺を誘拐犯にしたいとか?
ま、別にいいけどな。
「ハイハイ、んじゃ、14日の帰り」
「ん!ありがと!じゃあね!!」
……しまった!なぜ俺はこんなこと
引き受けてしまったんだ!?
[今後は涼平目線ではありません]