「えっと、私のクラスは……と」
麻希は廊下で自分のクラスを確認していた。
クラス表が掲示してある廊下は、表と睨み合う者、「同じクラスだね」と手を合わせて喜ぶ者と、たくさんの人がいた。
どうやら麻希は四組のようだ。
早速、四組の教室に向かう。
どんな友達に出会えるのか、
どんな楽しい出来事があるのか、
希望に胸を膨らませていた麻希だが、それは一発で砕かれてしまった。
「星羅。そのポーチ、Candyの新作じゃない?」
「うん、五千円で、意外と安かったから。ママにおねだりしちゃった」
ぽっ……ポーチで五千円!?
「あそこのホテルっていいよね。うちはお盆やお正月は、全部あのホテルで過ごしてるんだ」
「へえ、梨華のお家はあのホテルなんだ。うちはここだよ。」
おっ……お盆やお正月はホテル!?
他にも車がベンツだとか、お手伝いさんがいるだとか……。
……ここって、こんなお嬢様学校だったっけ?
麻希は誰とも話す事が出来ず、ただ一人で椅子に座っていた。