「……夢……」
私は、鳴りつづける携帯のアラームを止めて上半身を起こした。
最近、私は毎日同じ夢を見ている。
本当に、何なんだろう。
この夢を初めて見たのは中学3年生になったばかりの頃。
それからは見なくなったが、2か月くらいたった今、再び見始めた。
―コンコン……。バンッ!!
荒々しく部屋のドアが開けられ、誰かが部屋に入ってきた。
……いや、本当は誰がはいってきたのかわかっていた。
こんなドアの開け方をするのは一人しかいない。
「ほのかー!起き……ってかもう起きてんじゃん!」
「りおな……」
私は顔を上げ、その名前を呼んだ。
「おはようさぎ!」
単調な口調で声をかけてきたのは藤沢りおな。
彼女は私の双子の姉で、とても明るい性格。
それにしても、今時「おはようさぎ」はないでしょ!