心臓が止まるその瞬間まで、私は戦い続けなければいけない。そういう運命なんだから…。
既に新たな敵は戦闘不能状態だが、一応トドメを刺さなければならない。死んだふりも有り得る。
戦いとは、全神経を一点に集中させ、全ての思考を統一させて行う、いわゆる真剣勝負だ。
少しでもよそ見をすれば、命取りになることだってありうる。
私はひくひくと震える敵に近付き、そいつの真っ赤な体を見下ろし、マジカルロッドを振り上げた。
そして少しだけ開いた唇の隙間から、絞り出すように声を漏らした。
「お休みなさい」