都会の町の、大型モニター。
いつもと比べ物にならないほどの、通学・通勤中の人が、そのモニターをジッと見つめていた。
「僕らは…、まだ知らない…」
ある歌詞の1フレーズが聞こえてくるだけで、高鳴る歓声。
この曲こそ、昨夜沢山の人々を魅了しながらデビューを遂げた、
MisanGAのデビュー曲だ。
瞬く間にアイドル界に現れ、
瞬く間に全てのものを虜にしていったのだ…。
そんな、MisanGAへの歓声や、熱気に包まれた町中を行く車が一台。
その車に乗っていた彼らこそ…。
「あ、俺出てんじゃん。」
「いやいや、実月の方が大きくモニタ ー映ってたけどね?」
「どうでもいいから、黙ってよ。」
「 姫、正論ありがとうな。」
「その前に、葉起こすの手伝ってほし いな。びくともしてないよ…。」
「…ん、ねむいの、…。」
MisanGAだったのだ…。