【瑠佳】
「おまえって、スカート長いな」
初が指差して言う。
「おれだってべつに・・・、似合わないんだから、しょうがねーじゃねーかよ!」
思わずカッとなって、このやろう、と言いそうになった。だめだってすぐに口を閉じたけど、顔が熱い。胸がどきどきする。
なんて顔してるか初の方を見たら、あきれた目つきで、こっちを見ていた。
このやろうと言いたくなって金魚みたいに口をパクパクさせているうちに、帰り学活の始まりのチャイムが鳴った。
気だるそうなため息が、右隣で聞こえる。もう一度だけ、と思って右隣を見たら、あきれた気だるそうな目つきで、黒板の上の時計を見ていたのである。