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2:かなかな:2016/02/20(土) 17:06 ID:gq6

これはYさんとNさんのお話。

『Y、好きだよ。』
何事も無かった様に振る舞う私だが
頭の中でこの言葉がループしている。
不思議だ。
ずっとずっと追いかけたあの人が
ずっとずっと遠い人に感じる。
不貞腐れたこの日常が
覆された小学校の頃。
いつの日か大好きに変わっていった。
絶望が希望に。
元気が勇気に。
偶然が鼓動に。

…………………………………………

『N〜。部活一緒に行こ〜』
『うん!ちょっと待って今行く〜』
今日の部活はトレーニング。
多分柔軟とか体幹とかだろう。
憂鬱過ぎて着替えに2時間かけてやろうか
と思うくらいだ。
『Nー早くしてー遅い〜』
お前は部活が楽しみなのか。
訳わからん。
『もー、待ってよ〜。これでも
急いでる方なんだから〜』
辺りが生徒で湧いている。ざわめく教室
と廊下が部活への熱を消してゆく。
急いでいると嘘をついたが、これは
これ、あれはあれだ。

着替え終わったもののトレーニングだ
から行く気はサラサラない。
行かないといけないのだが。
『準備できたから行こ〜』
『やっと終わった〜。Nっていつも
ノロノロしてるよね〜』
何を言ってくれるんだ、コイツは。
『ノロノロとは失礼な!』
『だってそうなんだもん。』
プリッと効果音の着きそうなほっぺたを
膨らませる。本当可愛いんだから。
『そういえばNって、Yとどうなっ
たの?しばらく話してないんじゃ
ない?』
不意にYが出てきて心臓がドキっと
高鳴る。
『あ、いや、別に?…っていうか
こんなに人いるのにその話すんな!』
『えへへ〜いいじゃん別に〜』
いつも一緒にいてくれる同じ陸上部の
A(適当)は誰からも好かれる存在だが
少々口が軽い。私はそんな明るくて
運動神経がいいAにちょっとだけ
憧れている。Yと接触しているのも憧
れている点の1つだ。
『さ、荷物置いて準備しよ〜』
『えー、面倒臭い〜』
『いいじゃん、会えるかもしれない
よ?行ってみないとわかんな…イタッ!』
私はAをすかさずひっぱたいた。
『いいし!会えなくてもいいし!』
『え〜カッコいいYが……ダカライタイッテ!』
また私はAの肩を叩いた。
『もう!行けばいいんでしょ、いけば!』
やけくそになった私を見て楽しんで
いるAが痛々しい。
『そうだよ!準備するだけで
いいんだよ!』
『あー、はいはい。』
適当な返事をした。
そんな私の後ろからY達の声がした。
『…のことどう思ってるの?』
『は?別に普通…』
『…のこと、好きか嫌いかで!』
『え、だったら……かな。』
『うわぁぁぁぁぁ!』
『んだよ、うっせぇな』(ボソッ
肝心なところは聞こえなかったが
自分の事だといいなって期待している
私がいる。でも悪い噂だったら…。
不安も期待もごっちゃになっている。
『N、よかったじゃん♪』
カァァと私の顔が赤く染まる。頬に
当たる風が心地よく感じる。
『「よかったじゃん♪」じゃないから!』
内心、嬉しかったことを隠す。
こんなの、私らしくない気がする。
『あ、ほら、それより準備しないと!
ね?!』
『あ〜そうだね〜』
Aは未だにニヤニヤしている。
さっきのことを思い出すたけで
顔が火照ってくる。

Part1はここまでにします。
次回お楽しみに。


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